クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「それにしましても、クレア様がお怪我をされなくて本当によかったです。婚礼の儀まであとわずかでございますから」


そこでクレアは大事なことを思い出した。


「マートはどうしているかしら」


盗賊との戦いで負った怪我の具合はどうだろうか。


「どうでしょうか。今日あたりはまだお部屋でお休みのことと思いますが……」

「お見舞いに行こうと思うの」

「クレア様ご自身がですか?」


ベティが呆気にとられたような顔をする。


「もちろんそうよ」


クレアはそれがどうしたとばかりに胸を張る。
するとベティは、声のトーンを落として眉をひそめた。


「それは遠慮なさった方がよろしいかと存じますが……。レオン殿下も必要ないとおっしゃっていましたし……」

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