クールな王太子の新妻への溺愛誓約
だがベティに教えを請わずして、誰に聞けるというのか。ほかに手立てはない。クレアは息を大きく吸い、意を決した。
「単刀直入にいくわね」
「はい、なんなりと」
「初夜って、どうしたらいいの?」
恥ずかしがるから、余計に恥ずかしくなるのだ。日常の会話と同じように、構えることなく軽く言った方が羞恥心は和らぐ。
クレアはサラリと尋ねた。それこそ、“紅茶ってどう淹れたらいいの?”と聞くような雰囲気で。
ところがベティは一度しっかりと瞬きをした後、目が見開きっぱなしになってしまった。しかも中腰の体勢のままだ。広い庭園に点在する彫刻と見まがうほど、顔から血色がなくなる。
サラリとした口調は、ベティには効果がなかったようだ。
「……ベティ?」
クレアに声をかけられ、ベティが意識を取り戻したように我に返る。
「こ、これは失礼いたしました」
取り繕うようにして口もとに笑みを浮かべた。