クールな王太子の新妻への溺愛誓約

すぐに開いたドアからガッチリとした体格の男がひとり入ってきた。
まだあどけない顔は、レオンより年下だと窺える。剣を携えた重装備だ。


「クレア様、コスナーと申します。命をかけてお守りいたしますので、どうかご安心くださいませ」


コスナーは胸に手を当て、頼もしいひと言をクレアに向けた。

本音を言えば、レオンにそばにいてほしい。しかし、そんなわがままは言っていられない。レオンは騎士団に指示を与えるという仕事があるだろうから。


「コスナー、頼んだぞ。なにがあってもクレアの部屋の前から動くな」

「はっ!」


背筋を伸ばしたコスナーが、レオンに敬礼する。
レオンは激励するようにコスナーの肩を叩き、クレアには硬い笑顔を向け、足早に出て行った。


「私は部屋を出たところにおりますので、クレア様はここにいてくださいますようお願いいたします」


コスナーはそう言って一礼し、部屋から退散した。

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