クールな王太子の新妻への溺愛誓約
「あんまり無理はしないでね。ところで、コスナーは?」
ここから離れずにいるはずだが、その姿がどこにも見えないのだ。
クレアは長い廊下に見回すように、長い首を伸ばした。
「コスナーは別の配置についております。代わりに私がレオン殿下の命を受けました。クレア様を安全な場所へ移すようにとのことです」
「え? ここから移動するの?」
レオンはここから出ないようにと言っていたはずだが。
「東館に盗賊が潜んでいる可能性が濃厚となってまいりましたので、ここからお連れするようにとレオン殿下から仰せつかって参りました」
「そうだったのね」
レオンの指示ならば従わないわけにはいかない。
「一刻を争いますので、すぐに出たいのですが……」
「わかったわ。ベティ、行きましょう」