クールな王太子の新妻への溺愛誓約
一緒に湯浴みを手伝ってくれているパトリシアは泡のついた手を慌てて揃え、かわいらしい笑顔を浮かべた。
「こちらこそよろしくね、パトリシア」
タカマッサにいた頃からの顔見知りということもあり、ベティまでとはいかないにしろ心強い。歳が近いこともあるから、きっとうまくやっていけるだろう。
「とにかくクレア様は、“カエル”と“犬”になればよいのですからね?」
ベティが突然変なことを言い出すものだから、クレアはビクンと肩を弾ませてしまった。今まさにそのことで頭がいっぱいだっただけに、ベティに思考を覗かれたようで恥ずかしい。
クレアは恨めし顔でベティを軽く睨んだ。
「カエルと犬ってなんですか?」
パトリシアが不思議そうに首を傾げる。
「――ううん! なんでもないのよ!」
クレアが慌てて誤魔化す。
「なんでもないという様子には見えないのですが……?」
パトリシアに訝しげに見つめられ、クレアは逃げるように目を逸らした。
「パトリシアにはまだ早いかもしれませんね」
ベティはいたずらっぽく笑い、「さぁ、そろそろ上がりましょうか」とクレアに手を差し出した。