不機嫌なジェミニ
ジンさんはもう、逃がすつもりはないよ。

と言って、私に一緒に住む事を了承させ、


香澄に
「このまま、今まで通り家賃を半分出すので、トウコを俺の部屋に連れて行っていいかな?」

と翌日聞きに行って

「いいよー。彼氏と住むから」

とニコニコ承諾されると、
そのまま、必要最低限の荷物をトランクに詰めて、私を引っ越しさせた。


「なんだ、トーコちゃん、ちゃんと愛されてるんじゃん」と香澄は私に笑いかけ、私がうなづくと、

「今まで他に女がいないかって聞けなかったのが嘘みたいにラブラブじゃん。
勝手に別れて帰って来ないでね。私の都合もあるから…」

と顔をしかめて私に言う。

私が返事ができないでいると、

「もう、逃げれれないようにするから安心して」

とジンさんが私の代わりに返事をしながら荷物を詰め、香澄に笑いかける。

「はいはいー。ご馳走さま。」

と香澄は私達に手を振り、バイトに出かけて行った。

トランクに荷物を詰め終え、
私がリュックにせっせと荷物を詰めていると、

「近いうちに業者を頼んで全部運ぶから大丈夫だよ。
慌てて詰め込む姿がリスみたいで可愛いけど
あんまり詰め込むとリュック壊れるぞ。」

と私の頭をポンポンと撫でてリュックを持ち上げる。

「重っ!」とクスクス笑って私の顔を見る。

「…だってどれも大事なんだもん」

「まあ、これぐらいにしておけ。」

と私に笑いかけ、トランクを持ち、リュックを肩にかけて歩き出す。

私は慌ててジンさんの後を追い、部屋の鍵をかけて、エレベーターに向かった。






< 128 / 159 >

この作品をシェア

pagetop