不機嫌なジェミニ
ジンさんがいなくなったので、私は少し落ち着いてベッドから起き上がると、
知らない白いのパジャマを着ていて顔があかくなる。
これってどうやって着替えたのかしら…
と少し不安になるけど、
昨日、レンさんと一緒に暮らしている女の人に着替えを頼むって言っていたと思うから、
きっと大丈夫。ジンさんが着替えさせたわけじゃない。
と自分をはげました。

起き上がったベッドから周りを見回すとかなり広いベッドルームなのがわかる。
家具も明らかに高級そうなものが並び、
大きな窓からの景色はビルが立ち並ぶ街並みが広がり、遠くまで見渡せる。

贅沢な住まい。
わかっていたけど、
ジンさんはとてもお金持ちだ。


ゆっくり立ち上がり、
部屋の奥にあると言われたバスルームを覗く。

バスルームもその前の洗面台も広く贅沢でホテルのようにジャグジーがついている。
私はシャワーを浴びながら、
ゆっくりできるならバラの花びらやバスソルトや、泡のお風呂なんて似合いそうだな。と少し思う。

用意されていたバスタオルで身体を拭く。

洗面台の横にはレースで縁取られた真新しい美しい下着が置かれ、
柔らかそうな水色の女らしいキャミソールと長いパンツとパーカーのセットの部屋着も用意されていた。
化粧品も添加物や、香料が入っていない高級なものが箱に入って並んでいる。

これって全部私のために用意されたもの?
買い取るとしたら、今月のバイトのお給料で足りるんだろうか?いや、生活費もないと困るんだけど…





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