タイムリープ
「私から、好きな人を奪うなんてひどいよ!梢なんて、もう友達でもなんでもないから!」

そう言って詩織は、私の前から逃げるように走り去った。

「ま、まって」

私はすぐに詩織の後を追ったが、「来ないで!」と言われて、その場で足を止めた。

「こんなの嫌…………」

降りしきる異常に冷たい雨が、今の私をさらに悲しくさせた。
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