タイムリープ
「俺、梢を好きになってもよかったのかな?」

「えっ!」

電話越しから、優太のかすれた声が私の耳に届く。

「俺が梢を好きになったから、詩織が死んだんじゃ………」

「優太のせいじゃないよ!」

私は遮って、はっきりとした口調で否定した。

「でも、もしも詩織が俺のことを好きだったら………」

ーーーーーードキッ!」

優太の口から発せられた言葉を聞いて、私の心臓が一瞬ドキッとした。

彼の言ったことは、当たっていた。私も優太のことが好きだし、詩織も優太のことが好きだった。
でも、優太に選ばれなかった詩織は、トラックに轢かれて死んだ。
< 66 / 210 >

この作品をシェア

pagetop