クールな部長とときめき社内恋愛
もしかして、女性と一緒だったのかな。それを隠したいから、言わないとか?
付き合う前だからそういうのは仕方がないって、子供じゃないからわたしは納得するのに。
それでも言いづらいなら、無理して聞く必要はないだろう。あまり深く考えることではないなと思ったわたしは、残りのお昼休みを藤麻さんと笑って過ごした。
日差しが照りつける夏日。朝から気温は高かったけど、オフィスに入れば冷房がきいている。
今日も仕事は忙しく、普段よりも倍の事務作業をこなしていた。
藤麻さんは重要な企画書の作成で数日手が離せない状態だったけど、一段落ついたので今日は久しぶりに一緒に帰ろうという約束をしている。
勤務後に楽しみがあるから、いつもより疲れない気がした。
仕事が終わり、凝った肩を片手で押さえながら藤麻さんの方を見ると、どうやら彼も仕事を切り上げるようだ。
帰りましょうか、と目配せしたあと、先に支度を終わらせて化粧室へ向かった。
入ったとき、鏡の前に他の部の女性社員ふたりが手を洗いながら話していて、室内に声が響く。
最初はとくに気にしていなかったけど、わたしがちょうど鏡の前に来たとき、ひとりの女性が髪を直しながら藤麻さんのことを話しだした。
「そういえば藤麻逸希さん、彼女できたらしいよ」
「えっ、本当?」
ドキリ、としたけど、わたしはなるべく平静を保つ。ここで変な反応はしないほうがいいと思った。
付き合う前だからそういうのは仕方がないって、子供じゃないからわたしは納得するのに。
それでも言いづらいなら、無理して聞く必要はないだろう。あまり深く考えることではないなと思ったわたしは、残りのお昼休みを藤麻さんと笑って過ごした。
日差しが照りつける夏日。朝から気温は高かったけど、オフィスに入れば冷房がきいている。
今日も仕事は忙しく、普段よりも倍の事務作業をこなしていた。
藤麻さんは重要な企画書の作成で数日手が離せない状態だったけど、一段落ついたので今日は久しぶりに一緒に帰ろうという約束をしている。
勤務後に楽しみがあるから、いつもより疲れない気がした。
仕事が終わり、凝った肩を片手で押さえながら藤麻さんの方を見ると、どうやら彼も仕事を切り上げるようだ。
帰りましょうか、と目配せしたあと、先に支度を終わらせて化粧室へ向かった。
入ったとき、鏡の前に他の部の女性社員ふたりが手を洗いながら話していて、室内に声が響く。
最初はとくに気にしていなかったけど、わたしがちょうど鏡の前に来たとき、ひとりの女性が髪を直しながら藤麻さんのことを話しだした。
「そういえば藤麻逸希さん、彼女できたらしいよ」
「えっ、本当?」
ドキリ、としたけど、わたしはなるべく平静を保つ。ここで変な反応はしないほうがいいと思った。