クールな部長とときめき社内恋愛
彼はお兄さんと比べられることを、あまり良く思っていないように感じる。
だけど、誤魔化すのも気がとがめる。
どうしたらいいだろうかと悩んでいると、藤麻さんがこちらにやってきてわたしの隣に座り、ペットボトルのお茶を手渡してきた。
「悪い、飲み物これくらいしかない」
「大丈夫です、ありがとうございます」
受け取ったものをぎゅっと握って、横にいる彼を意識する。
藤麻さんがわたしのことをじっと見つめている気配がした。
ここまで来る間も、わたしは黙ってしまうことが多かったし、こうした態度も彼に悪いと感じてしまう。
お茶をひとくち飲んでテーブルに置いた後、わたしは小さく息をついた。
「……通路にいた女の人たち、藤麻さんの彼女はそのうち春伸さんにのり替えるんじゃないかって話をしていて、冗談でもそういうことを言われたことが悔しかったんです。気づいたら、彼女たちの前に出ちゃってて……。おとなげなかったなって、反省してします」
「なにか文句を言われたとか、そういうことではない?」
「はい、相手はわたしが藤麻さんの彼女だって知らなかったみたいだし」
「そうか。君が傷ついたりしていなくてよかった、安心した」
藤麻さんはほっとしたような顔をしたあと、すっと目を伏せる。
だけど、誤魔化すのも気がとがめる。
どうしたらいいだろうかと悩んでいると、藤麻さんがこちらにやってきてわたしの隣に座り、ペットボトルのお茶を手渡してきた。
「悪い、飲み物これくらいしかない」
「大丈夫です、ありがとうございます」
受け取ったものをぎゅっと握って、横にいる彼を意識する。
藤麻さんがわたしのことをじっと見つめている気配がした。
ここまで来る間も、わたしは黙ってしまうことが多かったし、こうした態度も彼に悪いと感じてしまう。
お茶をひとくち飲んでテーブルに置いた後、わたしは小さく息をついた。
「……通路にいた女の人たち、藤麻さんの彼女はそのうち春伸さんにのり替えるんじゃないかって話をしていて、冗談でもそういうことを言われたことが悔しかったんです。気づいたら、彼女たちの前に出ちゃってて……。おとなげなかったなって、反省してします」
「なにか文句を言われたとか、そういうことではない?」
「はい、相手はわたしが藤麻さんの彼女だって知らなかったみたいだし」
「そうか。君が傷ついたりしていなくてよかった、安心した」
藤麻さんはほっとしたような顔をしたあと、すっと目を伏せる。