クールな部長とときめき社内恋愛
「もっと他に言っていなかった?」
「え……?」
「結局俺は次男だから、親しくするのは会社を継ぐ可能性が高い兄さんのほうがいいって。そういうことを言うのは一部の人だし、別に慣れているから。誰だって得はしたいからね」
小さく笑った藤麻さんが、切なそうに見えた。
慣れているって言ってもなにも感じないわけじゃないはず。だって、わたしが聞いていても不愉快だと思ったのだから。
「そういうふうに見る人もいるのは仕方がないことだから、それで兄さんのことを嫌うってことはなかった。でも仕方がなくても、気に入らないなって思うことは何度かあったよ。兄さんと比べて俺から離れていった人は実際にいたからさ」
藤麻さんの言葉に、胸がぎゅっとなる。
彼はなんともない感じで話しているけど、もしわたしが誰かと比べられて一緒にいた人が離れていったら……悲しいって思う。
藤麻兄弟のどちらと付き合うほうが得かなんて、わたしは今まで一度も考えたことはない。だから、女の人たちの噂を聞いたとき、悔しくなったんだと思う。
わたしの気持ちまで、勝手に他の人と同じように言われたから。
「そういえば、舞花の元恋人も社長の息子だよな。でも俺とは違って……」
「今のわたしは、逸希さんが好きです!」
藤麻さんの頬を両手で包みながら勢いよくそう言うと、はっとしたような表情をした彼は、わたしに目を向けた。
「え……?」
「結局俺は次男だから、親しくするのは会社を継ぐ可能性が高い兄さんのほうがいいって。そういうことを言うのは一部の人だし、別に慣れているから。誰だって得はしたいからね」
小さく笑った藤麻さんが、切なそうに見えた。
慣れているって言ってもなにも感じないわけじゃないはず。だって、わたしが聞いていても不愉快だと思ったのだから。
「そういうふうに見る人もいるのは仕方がないことだから、それで兄さんのことを嫌うってことはなかった。でも仕方がなくても、気に入らないなって思うことは何度かあったよ。兄さんと比べて俺から離れていった人は実際にいたからさ」
藤麻さんの言葉に、胸がぎゅっとなる。
彼はなんともない感じで話しているけど、もしわたしが誰かと比べられて一緒にいた人が離れていったら……悲しいって思う。
藤麻兄弟のどちらと付き合うほうが得かなんて、わたしは今まで一度も考えたことはない。だから、女の人たちの噂を聞いたとき、悔しくなったんだと思う。
わたしの気持ちまで、勝手に他の人と同じように言われたから。
「そういえば、舞花の元恋人も社長の息子だよな。でも俺とは違って……」
「今のわたしは、逸希さんが好きです!」
藤麻さんの頬を両手で包みながら勢いよくそう言うと、はっとしたような表情をした彼は、わたしに目を向けた。