クールな部長とときめき社内恋愛
「いろいろあって、逸希さんが信じられなくなっちゃったんだ……」

「えっ、別れるの?」

「どうなんだろう」

そうなってしまうのかな。
だって、話し合うのが怖くて連絡も無視しているし、気まずさもある。

わだかまりは解けないまま、関係は自然消滅するのかも。
そのほうがわたしにとってはいいのかもしれない。
きっと、それでいいんだ……。

「舞花、本当にそれでいいの?」

黙って考えていたわたしに、美知は眉尻を下げて尋ねてきた。

「別れることになったら後悔しない? この前話をしてくれたとき、舞花は藤麻さんのことをすごく好きなんだなって思ったよ。嫌いになったわけじゃないんだよね? だったら、よく考えたほうがいいと思うよ」

話ならいつでも聞いてあげるからね、と微笑んだ美知にわたしは小さくうなずいた。

わたしは、どうしたいんだろう。
逸希さんのことを考えると、胸がぎゅっと締めつけられて苦しい。
好きって気持ちでいっぱいだったんだから、簡単にはなかったことにできない。

本当にこのままでいいの?
自分に問いかけながら、逸希さんのことを思い浮かべていた。


今日は残業があり、いつもより遅くまで会社に残っていた。
「お疲れ様でした」と、帰っていく社員に挨拶をしてパソコンでの作業を進める。

一区切りついたときには、課の人はほとんど帰っていた。
集中できていたのはいいけど、わたしもそろそろ帰ろう。
そう思ってパソコンをシャットダウンしていたとき、ふと、逸希さんのデスクを見つめてしまった。
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