クールな部長とときめき社内恋愛
新商品の件や飲み会で顔は合わせているが、会話をしたことはあまりない。
だけど目が合って、「あっ……」とわたしは反応してしまった。すると気づいた並田さんもなにかわたしに言いたげな顔をして、お互い意識するように「お、お疲れ様です」と挨拶を交わした。
「えーっと、以前飲み会に来ていたよね?」
「は、はい、参加しました。友野です」
ぎこちない会話の後、数秒の沈黙。なにか話題を出した方がいいかなとお互いが思ったようで、「あの、」と言葉を発するタイミングが被った。
ふたりとも謝ったあと、目を合わせてなんとなく笑い合う。そして、並んで階段を下りた。
「最近逸希くんに彼女ができたって聞いたんだけど、それって友野さんだよね?」
「えっ……! あ、はい……」
「やっぱり。逸希くん、あなたのことを結構目で追っているから」
並田さんの明るい笑顔に、わたしはうつむいてしまう。
逸希さんを避けてしまっている状態だから、彼の話題は少し気まずい。
「逸希くんに大事な人ができて、春伸はどうするのかなぁ。このままだと、弟の方が先に結婚しそうっていう感じ?」
「いえ、そんなことはまだ……」
「ていうか、春伸って結婚できなさそうな気がする! 逸希くんは優しいけど、春伸ってなんだか冷徹だもん。顔はよくても性格直さないとダメだよね。まあ、ちょっと笑えば穏やかには見えるけど」
いつのまにか春伸さんの話になっていて、並田さんの頬は緩んでいる。
恋をしているんだなって、彼女が可愛らしく思えた。
だけど目が合って、「あっ……」とわたしは反応してしまった。すると気づいた並田さんもなにかわたしに言いたげな顔をして、お互い意識するように「お、お疲れ様です」と挨拶を交わした。
「えーっと、以前飲み会に来ていたよね?」
「は、はい、参加しました。友野です」
ぎこちない会話の後、数秒の沈黙。なにか話題を出した方がいいかなとお互いが思ったようで、「あの、」と言葉を発するタイミングが被った。
ふたりとも謝ったあと、目を合わせてなんとなく笑い合う。そして、並んで階段を下りた。
「最近逸希くんに彼女ができたって聞いたんだけど、それって友野さんだよね?」
「えっ……! あ、はい……」
「やっぱり。逸希くん、あなたのことを結構目で追っているから」
並田さんの明るい笑顔に、わたしはうつむいてしまう。
逸希さんを避けてしまっている状態だから、彼の話題は少し気まずい。
「逸希くんに大事な人ができて、春伸はどうするのかなぁ。このままだと、弟の方が先に結婚しそうっていう感じ?」
「いえ、そんなことはまだ……」
「ていうか、春伸って結婚できなさそうな気がする! 逸希くんは優しいけど、春伸ってなんだか冷徹だもん。顔はよくても性格直さないとダメだよね。まあ、ちょっと笑えば穏やかには見えるけど」
いつのまにか春伸さんの話になっていて、並田さんの頬は緩んでいる。
恋をしているんだなって、彼女が可愛らしく思えた。