クールな部長とときめき社内恋愛
「新しい店なら興味持って一緒に行ってくれるかなと思ったんだけど、正直、友野さんと飯食えるならどこでもいい。まあ、ハンバーグ好きなんだけどさ」

なんですか、それ……。平静としながらそんなことを言うのは、ずるいと思う。

仕事帰りでハンバーグだし、特別に意識することはない。職場の付き合いだって思えば、一緒に行ってもいいかもしれない。

「ハンバーグ、食べます」

自分を誤魔化すように言い訳を考えながら、わたしは頬を赤くしていた。
本当は、一緒に行きたいって言われてうれしかった。だけど、素直にそう思ったら藤麻さんに惹かれる気持ちを抑えられなくなりそうで。

「うれしいよ。今夜、楽しみだな」

そう言われたことも、ハンバーグが好きだから楽しみなんだろうなって、期待はしないようにした。


仕事が終わり、そわそわしながら帰る支度をしたわたしは、会社を出たところでそっと後ろを振り返った。
そこには藤麻さんがわたしの後を歩いてきていて、彼は口もとを緩める。

「俺もう腹ペコ。早く行こうか」

藤麻さんって、たまに無邪気な笑顔になる。そういう表情を見ると胸が高鳴って、心の強張りも解けていきそうな気がした。

彼に案内されて駅の近くに新しくオープンした『Gentle』というカフェレストランに入った。
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