クールな部長とときめき社内恋愛
店内の壁には流れ星が描かれていて、落ち着いた空間で学生や仕事帰りの会社員が食事をしている。
オープンしたばかりだから綺麗で、とてもいい雰囲気だなと思った。

テーブル席へ案内してもらうとき、女性の店員さんが藤麻さんを見て顔を赤くしていた。周りのお客さんもちらちらと彼を見ていて、本人はなんとも思っていないようだけど、わたしが落ち着かなかった。

「なに食べる? ハンバーグ以外にもメニューはあるよ」

周りの視線を気にしながら、メニューを渡されたわたしは『ハンバーグ、食べます』と返事をした自分を思い出してハンバーグを選んでしまった。

意識することはないって言い聞かせてはいたけど、はじめて一緒に食事をするのだから、ここは肉類ではなくパスタやサラダを選ぶべきだったかな。

大きな口を開けてハンバーグを食べる姿に引かれたらどうしよう。
店員さんにオーダーしたときも、『ハンバーグのディナーセット、ふたつでよろしいですか?』と意外そうな顔をされたような気がして、頼んでおきながら後悔していた。

しばらく経つとハンバーグは鉄板のプレートでジュウジュウと音を立てながら運ばれてきた。
美味しそうな匂いと音に、藤麻さんの目が輝いている。
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