クールな部長とときめき社内恋愛
***
仕事帰りに食事をした日から、今までよりも彼のことを意識してしまっているような気がして、毎日落ち着かない。
朝、会社へと出勤するためにいつも通り部屋で支度をしていたとき、置いたままになっている藤麻さんの着替えが視界に入った。
洗濯とアイロンをして、全部まとめて紙袋に入れて部屋の端に置いてあるのを見ると、すぐに彼のことが頭に浮かぶ。
『パンツはいつ取りに行っていい?』と聞かれて、知りません!と返してしまってから、その後、着替えのことは話さないままだ。
会社に持ってきて渡してもいいと思っているけど、“いつ取りにくるんですか?”とわたしが言ったら、彼は部屋に取りにくるのだろうか。
なんて余計なことを考えるのは、やめよう。
気持ちを切り替えたわたしは玄関へと向かい、靴を履いて部屋を出た。
「ちょっと、総務にも噂が流れ込んできたよ。舞花、弟のほうの藤麻さんに気に入られているらしいね」
昼休み、会社の食堂で一緒になった美知はテーブルへと着いてすぐ、興味津々という顔をしながら話しだした。
気に入られているってどういうこと。変な噂になっているじゃないか!
わたしはため息をついて、焼き魚定食のお味噌汁へと箸を持っていった。
「どうやって仲良くなったの?」
「いや、仲良くはないから」
前のめりで聞いてきた美知に、わたしは首を振ってきっぱり否定する。藤麻さんがわたしを構ってくるのは、社長の息子っていうことを知っているから。
仕事帰りに食事をした日から、今までよりも彼のことを意識してしまっているような気がして、毎日落ち着かない。
朝、会社へと出勤するためにいつも通り部屋で支度をしていたとき、置いたままになっている藤麻さんの着替えが視界に入った。
洗濯とアイロンをして、全部まとめて紙袋に入れて部屋の端に置いてあるのを見ると、すぐに彼のことが頭に浮かぶ。
『パンツはいつ取りに行っていい?』と聞かれて、知りません!と返してしまってから、その後、着替えのことは話さないままだ。
会社に持ってきて渡してもいいと思っているけど、“いつ取りにくるんですか?”とわたしが言ったら、彼は部屋に取りにくるのだろうか。
なんて余計なことを考えるのは、やめよう。
気持ちを切り替えたわたしは玄関へと向かい、靴を履いて部屋を出た。
「ちょっと、総務にも噂が流れ込んできたよ。舞花、弟のほうの藤麻さんに気に入られているらしいね」
昼休み、会社の食堂で一緒になった美知はテーブルへと着いてすぐ、興味津々という顔をしながら話しだした。
気に入られているってどういうこと。変な噂になっているじゃないか!
わたしはため息をついて、焼き魚定食のお味噌汁へと箸を持っていった。
「どうやって仲良くなったの?」
「いや、仲良くはないから」
前のめりで聞いてきた美知に、わたしは首を振ってきっぱり否定する。藤麻さんがわたしを構ってくるのは、社長の息子っていうことを知っているから。