クールな部長とときめき社内恋愛
もうやらかしてしまったことは消せないし、どうにもならないって諦めるしかないけど、恥ずかしさはずっと消えない。
そう思って俯いたとき、
「友野さーん、なんのジュース飲むー?」
声を張った藤麻さんにビクッと肩を揺らして顔を上げると、彼は自販機へと向かっていた。
わたしの話をしていた沢本くんたちもこちらの存在に気づいて、マズイという顔をしたところに、藤麻さんがたどり着く。
「悪い、飲み物買いたいんだけど、邪魔だから退いてくれないか」
沢本くんたちは自販機の横にいるから買う邪魔にはならないけど、藤麻さんははっきり“邪魔”と言った。
しかも、いつもとは違ってトーンの低い声だから、沢本くんたちは「え……」という顔をしながらなにも言わずに自販機から離れていく。
彼らが去ったあと、藤麻さんはわたしのほうへ振り向いた。
「りんごジュースとオレンジジュース、どっちがいい?」
わたしには、いつもと変わらない声と笑顔。沢本くんたちの会話は藤麻さんにも聞こえていただろうから、さっきの言葉は沢本くんたちを追い払ってくれたんだと思う。
「……両方でお願いします」
「おいおい、欲張りだな」
「ありがとうございます、藤麻さん」
自販機の前までやってきたわたしは、飲み物を買っている彼の背中に小さい声でそう言った。
きっとひとりだったら、恥ずかしいって思いながら沢本くんたちがいなくなるまで立ち止まっていたと思う。
そう思って俯いたとき、
「友野さーん、なんのジュース飲むー?」
声を張った藤麻さんにビクッと肩を揺らして顔を上げると、彼は自販機へと向かっていた。
わたしの話をしていた沢本くんたちもこちらの存在に気づいて、マズイという顔をしたところに、藤麻さんがたどり着く。
「悪い、飲み物買いたいんだけど、邪魔だから退いてくれないか」
沢本くんたちは自販機の横にいるから買う邪魔にはならないけど、藤麻さんははっきり“邪魔”と言った。
しかも、いつもとは違ってトーンの低い声だから、沢本くんたちは「え……」という顔をしながらなにも言わずに自販機から離れていく。
彼らが去ったあと、藤麻さんはわたしのほうへ振り向いた。
「りんごジュースとオレンジジュース、どっちがいい?」
わたしには、いつもと変わらない声と笑顔。沢本くんたちの会話は藤麻さんにも聞こえていただろうから、さっきの言葉は沢本くんたちを追い払ってくれたんだと思う。
「……両方でお願いします」
「おいおい、欲張りだな」
「ありがとうございます、藤麻さん」
自販機の前までやってきたわたしは、飲み物を買っている彼の背中に小さい声でそう言った。
きっとひとりだったら、恥ずかしいって思いながら沢本くんたちがいなくなるまで立ち止まっていたと思う。