遠い昔からの物語

台所の土間にいたわたしたちは、いつもわたしが寝間として使っている部屋へ移った。

彼が押入れから敷蒲団を出して、畳の上に広げた。

そして、蒲団の脇に腰を下ろし、きっちりと巻きつけたゲートルを解き始めた。

わたしは、彼とは反対側の蒲団の脇に正座し、ブラウスのボタンを一つずつ外していった。

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