フェイク アフェア ~UMAの姫と御曹司~
「あー、それ、私もそう思ってた。トイレの仕切りの壁を乗り越えてるとこ見たときには目が点になったし」

沙絵さんが思い出し笑いをして肩を震わせる。

「い、いやそれもう忘れて・・・」
ちょっと恥ずかしいんですけど。いい加減に忘れて欲しい。

「でも、そんなノエルさんだから私たちも仲良くなれたし、副社長のハートをがっちりつかんだんでしょうね」
「うん、副社長ったら溺愛してるもん」
「アレは見てる方が引くよ。正直に言って」

確かに、修一郎さんにはストーカー事件が終わったのにも関わらず心配され大切にされてる。
でも、溺愛って程じゃないでしょ。

「もしかして、ノエルさんわかってない?」
「あー、勘違いしてるかも」
沙絵さんと松本さんが呆れたような顔をする。

どういう意味?

坂本さんが笑い出した。

「ね、この間ノエルさんのお知り合いっていう男性が見えましたよね。工藤さんと如月さん」

「うん、来た来た。私が子供の頃から世話してくれた人とその人のまた従兄弟で私と前の職場で一緒に働いてたドクターね」

そう、先日二人が修一郎さんと私に会いに会社に来てくれたんだ。

元林さんは工藤家に戻って工藤物産で働いている。しばらくしたら役員になるらしい。
一緒に来たのは如月先生。
元林さんのまた従弟で私と一緒に働いていた総合病院を退職して今は開業している。

私が睡眠薬を飲まされた時に元林さんが運んでくれたのは如月先生のところだった。総合病院に運んで騒ぎになることを心配して腕の確かな親戚の開業医に連れて行ったのだからさすがの判断力だ。




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