最後の恋 〜 eternal love 〜
まだ外が暗いせいだろうか…


この部屋も、ドアの向こうに見える廊下も…薄暗かった。


今まで一度も入院なんてしたことがなかったから、一人にされた途端に心細くて落ち着かないなんて、小さな子供みたいだ。


握られていなかった方の手には、点滴の針が刺さっていた。


半日以上、眠り続けていたんだ…と吊るされた残り少ない薬量を見ながらそう思った。


そのままぼんやりと視線を下にずらしながら、細長い透明の管をポトリ、ポトリと一定の間隔で流れ落ちていくのを見ていると、静かな足音が部屋に近づいてくるのが聞こえた。


点滴から、ドアに目を向けるとナースキャップを被ったベテラン風の看護師さんが入ってくる所だった。その後を、彼が続けてゆっくりとした足取りで静かに入ってきた。


優しそうな看護師さんが私を見て微笑んでくれたので、少しだけホッとした。
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