あなたに追いつきたくて
「ついたよ」

やっぱり少し素っ気ない声

「ちょっと車で待ってて」

と言って先生はどこかに行った。


しばらくして車の扉が開く



「はい…」

そう言って手渡されたのは暖かい珈琲

「ありがとうございます!」


「ん、行くよ」

先生は私の手を掴んで私は車から降りた。

吹いてくる風はもう、秋のもので少し肌寒い。


でもそんな風が少し心地よく感じる。


右手に少し冷たい先生の手


左手に先生がくれた暖かい珈琲


寒いからと言って先生が貸してくれたマフラー


全部が先生で一杯

< 29 / 30 >

この作品をシェア

pagetop