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「お前って自分勝手だよな。」

タクミがそう言ってアタシは黙り込んだ。

返す言葉が無いからだ。

「ハナエと別れて欲しかったら
レオと別れてから言えよ。

自分のことは棚に上げて俺だけ別れさせて
お前は二股かけるつもりかよ?」

穴があったら入りたかった。

確かにアタシはまだレオと別れると決めてない。

レオの事だって好きだし、必要だし
もしタクミに裏切られた時、
レオがいないと耐えられそうに無いからだ。

アタシは狡くて、何もかも捨てられるほど
タクミが好きなわけじゃなかった。

「俺に捨てさせるなら、お前も捨ててこいよな。」

タクミの気持ちは今、あの頃よりずっと冷めてる。

「別にハナエと別れて欲しいなんて思ってない。

別れるって言ったのに結婚するって聞いたから…

タクミの気持ちがわからなくて…

でもハナエと結婚するなら祝福する。」

アタシはずっとタクミの前で素直になれなかった。

この時、もっと素直になれたらアタシたちはどうなっていたのだろう?

アタシはそれからタクミとの連絡を断った。

タクミも連絡して来なかった。

3年経ってもまだハナエとは結婚してないけど…

アタシたちは会うこともなく
タクミはどんどん華やかな世界へ行ってしまった。


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