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アタシはスポーツメーカーの広報部に入って
忙しい毎日を過ごした。

入ったばかりの頃はいつかタクミのスポンサーの担当になる夢もあったけど
新入社員だったアタシは忙しさの中でそんなことも思い出さなくなった。


レオは医大を卒業し、研修医としてはたらいている。

逢えない時間が増えて
アタシたちはお互いの事を忘れてしまう日が続いた。

何度連絡しても、されてもなかなか連絡もつかなくて
やっと連絡がついて会うことになっても
レオはいつも呼び出された。

ハナエは相変わらず華やかで
仕事より遊びの毎日で
仕事はどこも長続きせず、もう何社も転職している。

タクミは日本代表選手になって
その容姿から人気もすごくあって
一時期は雑誌とかに出るようになって
時の人となった。

だけど…ある日突然、
タクミの名前は代表選手の中から消えてしまった。

タクミはケガをして一線から外れた。

中学の時からバレーボールしかして来なかったタクミにとって
バレーが出来ない日々はかなり辛かったハズだ。

そんな時、タクミから突然連絡が来た。

「キョウ…元気か？」

久しぶりの声に胸が震えた。

アタシはまだタクミの事が好きだった。