エリート医師のイジワルな溺甘療法


カフェを利用するのはこれで三回目。

大きな窓が開放的で、景色がよく見えるお洒落な造り。

そして、メニューも豊富でリーズナブルだから、いつも混んでいる。

私みたいに通院している人が多いけれど、入院患者も多く利用しているのだ。

パジャマのままで珈琲を飲んでいたりするから、すぐに分かる。

今日も混んでいるけれど、ラッキーなことに窓際のテーブルに座ることができた。

オムライスを食べながら、風にそよぐ木々の葉を眺める。

すると、かすかに救急車のサイレンの音が聞こえて来た。

しばらくして、赤色灯が病院玄関のほうへ向かっていくのが、木々の間から透けて見えた。

ほかの人も気付いたようで、「また救急が来たな」と言ってカフェ内が少しざわめいている。

もしかして、あの救急患者さんは、先生が担当するんだろうか。

ついさっきまで私の診察をしていたのに、お昼ご飯きちんと食べられたかな。

お医者さまのお仕事は、私が想像するよりもずっとハードで気苦労も多いんだろうな。

せめて家では、ゆっくりしっかり食べてほしいと思う。

オムライスを食べる手を止め、さっそく麻友と連絡を取った。


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