エリート医師のイジワルな溺甘療法


少し強くなった日差しが地面に木漏れ日を作る午後三時、私はタワーマンションの外にあるベンチに座って、麻友を待っている。

彼女は今夜アパートに来てくれることになっていたけれど、急きょ予定変更してもらったのだ。

買い物に付き合ってほしいとお願いしたけれど、先生の極甘アピールを受けたことはまだ話していない。

話したら、麻友はどんな反応するかな。


「ここは、のどかだな……」


マンションの敷地内はかなり広く、綺麗に整備されているから、すごく居心地がいい。

木がたくさん植えられていて小道が造られ、休めるベンチが点在しているのだ。

いつも先生の部屋に直行していたから、周りがこんなふうになってるのは知らなかった。

マンションの一階には住民専用スペースのほかにも、コンビニとカフェとカレー屋さんがある。

そのせいか、近隣に住んでいる人も自由に出入りしているみたいだ。

ジョギングしてる人がいたり、のんびり歩いている老夫婦がいたり。

先生はここがいい環境だから、購入を決めたのかな。

ああでも、私生活に無頓着な先生のことだから、案外知らなかったりするかも。

アメリカ人の彼女がいる可能性は低くなったし、先生は、どうしてここのマンションに決めたんだろう。


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