エリート医師のイジワルな溺甘療法
「昨日って、ほんとに?」
麻友の目がぱちくりと見開いている。
「うん。マジでびっくりぎょうてんの展開だよね。昨日事件が起こって、先生が過去を話してくれて……」
「えっ!? なにそれ、ちょっとストップ。穂乃花、こんなとこで聞くのもったいないわ。時間あるなら、お茶しながら話そうよ」
目をキラキラさせた麻友が指差したのは、マンション一階のカフェだった。
明るい日が差すテラス席を選び、私はレモンティーを、麻友はココアを注文してお喋りを始める。
事件のこと。先生が話してくれたこと。詳しく順番に説明していくと、麻友はふかーい息を吐いた。
「穂乃花……話を聞いてるだけで、耳が蕩けちゃう。ごちそうさま」
「ね、麻友……これって、私愛されてるのかな? 雰囲気で流されてってこともあるよね?」
亡くなった彼女と重ねて見てるのかな、とか。
ちゃんと私自身を見てくれてるの? なんて、思ってしまう。
「うーん、私の意見を言うのは簡単だけど……でも、やっぱりそれは、穂乃花が自分で確かめなきゃ。結局、前に話題になったこと、確かめてないんでしょ?」
「そうなんだよね。全然、訊けなかったの」