エリート医師のイジワルな溺甘療法
「うん、味付けはこんなもんか」
私は麻友ほど料理が得意じゃないので、お料理サイトのレシピとにらめっこ。煮魚と一口に言えども、検索すると結構バリエーションがあるものだ。
先生はよく食べるから、お魚は切り身じゃなくてまるごと一匹にしてみた。
おいしいって言ってくれるとうれしいな。
湯気が立ち上ぼり、煮汁の香りがキッチン内を漂う。食欲をそそるから、お腹の虫が騒ぎ始めた。
「先生は何時頃帰ってくるかな」
救急搬送の対応しててお昼を食べ損ねていたら、お腹ペコペコで帰ってくるはず。
仕事の終わる時間を聞いても構わないかな。でも、いきなり彼女面したらおかしい?
“いつでも……今日も、明日も、毎日でも”
今思い出しても胸がどきどきする。
あんなふうに言ってくれたということは、私は先生の彼女になれたと思ってもいいんだよね。
でも、もしかしたら違う可能性もある?
先生の中で私はまだ彼女未満で、毎日会って自分の気持ちを確かめたいんだったりして。
「もしもそうなら、私はどうすればいいの?」
今までのお付き合いは、告白されて付き合おうって言われて、恋人の関係が始まったものばかり。
けれど今回ははっきりした言葉がないから、立場が曖昧で不安定で……すごく不安になる。