エリート医師のイジワルな溺甘療法


自信たっぷりに言ってみせると、彼は目を見開いたあとすぐにやさしい瞳になって微笑む。


「やっぱり君は、怖がりなのに妙に根性があるな。それに、屁理屈が得意だ」


言葉の解釈が違うぞ?とぼそっと言われたことは無視して、このまま強引に押し切る。

彼を安心させられれば、なんだっていい。


「なに言ってるんですか、屁理屈じゃありません! それに今の私は、鉄壁要塞に入ってるから無敵なんですよ? どんな敵が来てもはじき返しちゃいます」

「ん、鉄壁? なんだ、それは」

「あなたの、こと」

「……俺が、要塞?」


今度は彼がきょとんとしている。

理解できなくてもいい。支離滅裂でもいい。ニュアンスさえ伝われば、それでいい。


「そう、だから、大丈夫なの」


ね、そうでしょ? そんな意味を込めて、彼の精悍な頬を両手で包んでじっと見つめる。

この人を幸せにしたい。心から、愛してる。

そう思ったら、自然に彼の唇と合わせていた。

今、私からキスしている。初めてのことで、自分で自分の行動に驚きながらも、離れられずにいる。

すると腰をぐっと引き寄せられ、後頭部をがしっと鷲掴みにされた。

荒々しく、けれど甘い吐息が私の肌にかかる。お返しとばかりに口中をじっくり蹂躙されて、息が上がって、なにも考えられなくなっていく。

彼の肩にしがみついて、与えられる情熱に応えるのが精いっぱい。


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