エリート医師のイジワルな溺甘療法


「前回はカーテンでしたけど、今日はなにを見ますか?」


車の助手席にゆったり落ち着いて問うと、素早く運転席に座った彼がエンジンをかけながら答える。


「まず、リビングのソファセットだな。時間があればダイニングセットも買おう」

「あれ? いきなり二つも買うんですか? ゆっくりそろえたいって、言ってませんでしたっけ」

「ああ、あれは撤回するよ。あのときは、そうした方が君に頻繁に会う口実になるから、そう言ったまで。俺は、最初から君目当てで店に行ったんだよな」


彼はそのときの自分を分析するように言う。

じゃあもしもあの日に私がいなかったら、彼は会えるまで何度も通ってくれたんだろうか。そして偶然を装って声をかけてくれたのかな。


「……そう、だったんですか」


なんとも言えない高揚感が体の内から沸き上がる。彼はいつも私を喜ばせる言葉をくれるのだ。私も彼を喜ばせたいけれど、今できるのは、いいインテリアにすることだけかな。


「でも今は、その必要がないだろう。常に君がくつろいでいられるように、早くそろえたいんだ」


彼はハンドルを操作しながら、私の手を探り当ててぎゅっと握る。

いつもくつろいでいられるように、ということ……それは、今以上にってことかな。私は、今だけでなく、この先もずっと彼の横にいられるって、期待していいのかな。


「そうですね、今日はさくっと決めましょう」


家具はカーテンみたいに色柄が豊富ではないから、時間はかからないはずだもの。


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