エリート医師のイジワルな溺甘療法


そして、やって来たのは我が職場でもあるインテリアショップ『マホガニー』。

店内を彼と一緒に、しかも腕を組んで歩くのは気恥ずかしい。

杖なしで来たから、彼は当然のように腕につかまることを要求してきた。

同僚たちに発見されてびっくり顔を向けられては、照れた笑顔を返す。

中には、私と彼を見たまま固まってしまう若い子もいる。

そうだよね。彼女たちの中では、私には恋人がいなくて、骨折して可哀想なアラサー女のはずだもの。

噂好きの女子社員たちに見られているから、しばらく話のネタにされるのは間違いない。

うんざりするけれど、うれしい気持ちもある。

だって、彼はこんなに素敵な人なんだもの。自慢したって、いいじゃない?

反面、私は釣り合ってるのか、考えてしまうけれども。

軽くため息をついていると、彼が「疲れたのか?」と気にかけてくれる。

笑顔を向け、なんでもないアピールをして、先ずはリビング家具のフロアでソファを物色する。

広い部屋だから、中途半端な物じゃなく大きな家具がいい。

欲しいのは、窓の外にも内側にも向けて座れるL字型のソファセット。

昼間は好きなDVDを見て、夜は外の夜景を楽しむ。時には本を読んだり、うたた寝をしたりして、ゆったりくつろげる大きなもの。チープじゃなくて、上品なのがいい。


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