エリート医師のイジワルな溺甘療法


あの蜂蜜色の空間の中で、長い脚を組んで彼が座っているところを想像するだけでわくわくする。

けれど、基本は彼の気に入ったものにしたい。


「……ソファと言っても、たくさんあるんだな」


広いフロアにずらりと並ぶリビングセットを見て、彼がちょっぴりうんざりした声を出す。

きっと選ぶのが面倒なんだろう。千種類以上もあったカーテンより、だいぶ楽なのに。


「どれにします? 座り心地は、座らないと分からないですよ。ほらほら、雄介さんも選んでください」

「俺にこだわりはないから、君の好きなものでいいよ」

「もうっ、またそんなこと言って。ダメですよ、ちゃんと参加してください」


とりあえず手近にあった黒い革張りのソファに座ってみる。柔らかすぎず、ゆったりと体を包み込んでくれるところが、なかなかいい感じだ。


「これ、素敵ですよ。座ってみて」

「君には、しっかりイメージがあるんだろう? 俺には君の頭の中まで見えない。たまに、見えれば楽だと思うけど、それじゃ、おもしろくないしな」


彼は私の隣に座って、にこっと笑う。

頭の中が見えれば楽、なんて私も言いたいセリフだ。

でも考えてることが分かってしまったら、実際おもしろくないのかもしれない。分からないこそ、どきどきするんだから。

“不思議な思考回路を持つ”

そっか。だから彼は、私が好きなんだな。

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