エリート医師のイジワルな溺甘療法
「ありがとうございます。助かりました」
「しょうがないね。瀬川さんと彼、すごく目立っていたから。みんなハッピーな話題が大好物だし」
目立ったのは、多分彼の容姿のせいかな。立っているだけで気を引く存在感というか、タレント並みに華がある人だと思うから。
「でも、まだみんなが言うハッピーにはほど遠いんですよね。お付き合い始めたばかりだし」
「あれ? でも、家具はセットものを買ったって聞いてるよ? ハッピーは近そうだけど」
「コーディネートを頼まれたんです。揃えてくれって。ひとり暮らしなんですけど、お部屋が無駄に広いから、自然に家具も大きくなってるだけで……」
着替え終えてロッカーを閉め、先輩を見るとちょっと首を傾げていた。
おそらく麻友と同じような疑問を抱いているんだろう。“彼ひとりで使うの? 必要あるの?”と。
たしかにそのとおりで、おかしいのだ。あの部屋を手に入れた理由は、やっぱり婚活のためなのかな。
それなら、彼にとって私は──?