エリート医師のイジワルな溺甘療法
先輩に言われるまで、考えたこともなかった。
私が、彼に、プロポーズするなんて。
それって、究極の肉食女にならないとできないことだ。
玉砕するって決意しながらも自分から告白できなかったし、訊きたいことも口に出せないヘタレなのに、できる気がしない。
麻友は『不安な芽は摘んだ方がいい』と言い、先輩は『不安ならしっかり捕まえなくちゃ』と言った。
ふたりの方向性は違うけれど、伝わってくることは微妙に合っている。要するに、気持ちを言葉にする勇気を出しなさいってことなんだ。
「プロポーズ……か」
自然にキスしたときみたいに、自然に言葉がでてくるのかな。
タイミングとかシチュエーションとか、告白するよりも難しいんじゃないか。
誰もがきっと大決心をして、一生懸命考えて実行するんだろうな。
麻友は、彼が決意するのをずっと待っていたっけ。
私も、プロポーズとは養う側がするものだと思っていたけれど……。
私の場合、収入は彼の方がはるかに上だ。逆プロポーズしたなら、私を養ってください!と言うようなものじゃない。
それって男にとっては、重い女どころか、かなり図々しい女なんじゃないか。
男が女を愛していれば平気なもの?