エリート医師のイジワルな溺甘療法


それでも、女としては、彼からプロポーズされることにあこがれてしまう。

ロマンチックなシチュエーションで、愛をささやかれながら指輪を渡されたい。

プロポーズなんて、一生に一度あるかないかの一大イベントだもの。おばあちゃんになっても、思い出したら胸がときめくようなものがいい。


と思えども……私は今でも十分に、彼からときめきをもらっているのだ。これ以上望んだら罰が当たりそうなほどに。

そしたら、今度は彼にときめいてもらう番で、やっぱり私がプロポーズすべきかも。

ああでもでも、待って。そもそも結婚を望んでいなかったら、ときめきどころか残念な結末になるじゃない。

はあ……疲れた。結婚って、なんて難しい問題なんだろう。


道中ずっと考え続けてぐったりしながらも、昼頃彼のマンションに訪れた。

今日は家具が届く日で、仕事の都合がつかず立ち合えない彼に代わって、私が受け入れることになっている。

配送業者が来て、まずはリビングにソファが入り、ダイニングにもテーブルセットが置かれる。

平坦だった空間に立体が生まれたことによって、部屋に視覚的な広がりがでた。


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