エリート医師のイジワルな溺甘療法


「ところで穂乃花。気になるって言ってた、超絶極上の先生はどうなの? イケそうなの?」

「へ!? やだやだ、イケそうって、なにそれ。ムリムリ! 医者と患者じゃ、それ以上に関係発展しないでしょ」


安西先生には、私なんて恋愛対象どころか、数ある患者の中のひとりでしかない。

もしも病院外でばったり会って挨拶しても、名前を思い出してもらえるかも怪しいものだ。

それくらい、うっすい縁だ。


「じゃあ、縁が濃くなるように、行動してみたらいいんじゃない? 今度の診察の時に、食事に誘ってみるとか。連絡先訊いてみるとか」


麻友はカナッペを頬張りながらしれっと言うから、驚いた私はアサリの貝殻をぽろりと落としてしまった。


「診察中って、大胆すぎるでしょ。連絡先訊くとか、合コンじゃあるまいし。そんなことできないよ」

「診察中だからインパクトがあるんじゃない。もしかしたら、成功するかも」

「そうかなー、変な女って思われない? それに、まだ松葉杖だよ……木っ端みじんに爆発しそう」


安西先生はきっといろんな人からデートに誘われていると思うのだ。

アメリカ帰りの敏腕整形外科医なんてハイスペックなイケメン、縁談話も降るようにありそう。

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