エリート医師のイジワルな溺甘療法
そんな夜から数日後の日曜日。私は久々に『マホガニー』に出勤している。
安西先生の勧めてくれた通り店長に相談したら、サービスカウンターの仕事をすることになったのだ。
ここマホガニーは三階建てで、一階はインテリア小物とダイニング家具、二階はソファなどのリビング家具と学習机などがあり、三階はベッドやタンスなどの寝室用の家具を置いてある。
近隣のインテリアショップの中では一番大きくて、『家具を買うならマホガニー』と、遠方からもお客さまが来られるのだ。
そんなショップのサービスカウンター業務は、結構忙しい。
売り場のご案内は勿論、配送の手配から迷子放送に至るまで、雑多なことを一手に引き受けるのだ。
フロアのように歩き回ることがないとはいえ、ずっと立っているのはハードなこと。
だから、ちょこちょこ椅子に座らせてもらっている。
お客さまからは、松葉杖が見えないように気を使い、なるべく歩くのを避ける。
そんなふうに午前の仕事をしてお昼休憩から戻った午後二時、配送伝票の整理をしていると、頭の上から声が降ってきた。
「……瀬川さん?」
「はい、なんでしょうか?」
反射的に笑顔を作って顔を上げた私は、カチンと固まってしまった。
自分の目に映っているものが夢か幻か。どうして、この人がここに──。