エリート医師のイジワルな溺甘療法
その薄茶色の布カバーを取って裸にすると、ふたりの間に置いた。
「普通のスポンジとは違うんだ。圧力を加えたところしか、へこまない」
大きなスポンジケーキのようなそれに、先生の指先が、ゆっくりとめり込んでいく。
ぐぐっと、第二関節あたりまで深く入り込んだ指は、穴を広げるようにゆっくりとかき回す。
スポンジを触っている先生の手を見ているだけなのに、胸がドキドキするのはなんでだろう。
血管の浮き出た手の甲と、肌色のスポンジにめり込んだ長い指が、私にはすごく色っぽく見える。
『……抱きたいからだったり?』
う……こんなときに、麻友の言ったことを思い出すなんて。
先生の醸し出す色気と寝室のコラボレーションは、独り身のアラサー女にとっては毒以外の何物でもない。
並んでベッドに座って、先生のオトコの匂いを微かに感じている。こんなの、普通の女なら雰囲気だけで蕩けてしまう。
先生は、無意識なんだろうけど……。
「大きさもちょうどいいし、このほどよい固さがいい。クセになるんだ」
先生が指を引き抜くと、ぽっかり開いた肌色の穴は名残惜しげにゆっくり元に戻っていく。
その様子さえも、私には目の毒になってしまう。
低い声がいつもより甘く感じる、危険な空間。