エリート医師のイジワルな溺甘療法


「ダメですよ、先生。ご自分の寝室のカーテンなんですから。ほら、先生は群青色担当です。好きな色だから見るのも楽しいでしょ?」


強引に青系のサンプル帳を渡すと、しぶしぶといった感じでページを捲り始めた。


「あ、先生。これなんかどうですか。ペイズリー側が素敵ですよ」

「……ペイズリー?」

「あ、これも。ほら、蔓の模様がシックでいいですよ。寝室のイメージに合います」

「……蔓?」


サンプル帳を見ていると、あれここれも素敵に見えて迷ってしまう。

ふと気づけば、先生はサンプル帳を閉じて私をじっと見つめていた。


「先生、選び終わったんですか?」

「いや、君を見ている方がおもしろいから、止めた」

「もうっ、真面目に選んでくださいっ」


ぷんっと怒ってみせると、先生は苦笑いをしながら謝って、一緒に見ることを提案してきた。

椅子を近づけてきて、私の椅子の背もたれに腕を乗せる。それじゃ、まるで肩を抱かれているようで……。


「先生……近づきすぎです」

「こうしないと、互いによく見えないだろ。ほら、君の選んだのはどれだ? いろいろつぶやいていただろう。教えてくれ」

「あ、これです。この蔓の模様の」

「うん、シックでいいって言っていたものだな? ほかには?」

「はい。このペイズリーのがいいんです……これの色違いが、こっちにあって……」

「ふむ。それで、結局どれがいいんだ?」


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