【惑溺】わたしの、ハジメテノヒト。
いやいや、コーヒーなんて後でいいから。
お願いだから上に何か着てほしい。
目のやり場に、すごく困るんだけど。
そんなあたしの気持ちはお構いなしで、彼はキッチンでお湯を沸かす。
渡されたタオルで自分の濡れた髪をふきながらぼんやりと彼にみとれていた。
その逞しい肩に
綺麗な背中に
男らしい首筋に触れて
キスマークをつけるってどんな気持ちなんだろう。
見てるだけでこんなにドキドキするのに、この胸に抱きしめられたらどんな気持ちになるんだろう。
ぼんやりとそんな事を考えていると、西野くんが温かいコーヒーの入ったカップをあたしの目の前に置いてくれた。
「ここって、西野くんの家なの?」
「そうだけど?」
「あたしなんか連れてきてもいいの?」
落ち着かなくてソワソワしながらそう言うと
西野くんが『質問の意図が分からない』という表情でかるく眉をひそめた。
「いや、ほら。年上の彼女と同棲してるって噂だったから、他の女の子を勝手に入れたら彼女が嫌がるんじゃないかと思って……」