俺だけのLovelyメイド
「あ、ごめん蘭‼えっと、俺の母親の──……」

「東條 朱希(アキ)です。
お話は聞いてるわ、秋月さん」




ニコリと微笑んだその表情は、ほんとに綺麗で。




「あっ、秋月 蘭です‼
こちらこそお世話になってますっ」



勢い良くペコリと頭を下げる。
すると東條に腕を掴まれ、あたしは顔を上げた。




「えーっと、こいつは櫻宮 香乃華。
俺の──……」



東條の言葉が途切れる。

目に映るのは、その腕に自分の腕を絡める香乃華さんの姿。


そんな状態で香乃華さんはあたしを見て、ニコッと笑った。




「私は、泰臣さんの許嫁ですわ」



「い……っ」



許嫁!?


って、あれ!?
親が決めた結婚相手ってやつ!?
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