身代わりの姫


昼間は最後の奉仕活動として、学校へ行くとお別れ会をしてくれた。

1年と少しの間、週に2回の学校での活動は、ピアノを弾いたり休み時間に遊んだり勉強を見たり、楽しく過ごせた。


多分、もう会えないのだろう。


「サリ、色んな歌を教えてくれて……」

「一緒に遊んで勉強もおしえてくれて、ありがとう」


「みんなで歌うから、聞いてください」


子どもたちが歌いだして、その歌声に、涙が出る。



小さな町の小さな学校。

学年を分けずに、みんなで学び合える、育ち合う。


歌の後、手紙をくれた。
子どもたちの思いと、将来の夢が書かれた手紙。


「ありがとう。私も楽しかったのよ。

みんなの夢が叶いますように。その為には元気でいっぱい勉強して遊んでね。

そして、優しい人に、なってね」



最後は明るく別れを告げた。




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