身代わりの姫



世の中では、アリアが死に、リリアが元気にバルテモン国に嫁ぐ………?



目を閉じて、俯いた。



拒否出来る立場ではない。



分かっているけど。



「………リリアには、心に決めた人が………?」



「…………そうかもしれない………


今となっては分からないが…………」



その時、ドアがノックされて、王妃が入ってきた。


泣き腫らした顔で私を抱きしめた。





「アリア、ごめんなさい、ごめんなさい………」





何に謝っているのか、分かりたくなかった。





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