孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
「副業禁止なんて言ってるのは、日本の企業くらいじゃないか? 副業したからって法的に罰せられるわけじゃないのにな。
 サイドビジネスはその人のステータスを上げる。経済面でも精神面でも、技術面でも、その人の人生に充実感を与える。
 会社に多大なる不利益をもたらさない限りは、別に構わないと俺は思ってる」

「だったら……」

「けどあれは、本当にお前がやりたいことなのか?」


 私の心を貫く瞳に、言葉を続けられなかった。

 もちろん、今日のように恋人でもない男性に手を取られるなんてことは、できれば避けたい。

 だけどそれ以上に、私にとっては自分の価値をたしかめられる大切な時間だと思っている。

 たとえ社長に言われたことがほんのちょっとだけ図星だったとしても、全部を否定してほしくない。


「副業しているつもりはありません。
 ですが、私の場合は、あの見世物が社長のおっしゃるステータスなんです。
 毎日なんのために仕事してるのかって、ここ最近はずっと思ってて……もちろんそれは生活のためですけど、それだけのためなんて、なんだか違うような気がしていて……」
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