孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 天井の高い社屋ロビーに入るなり、行き交っていた社員達は息を飲むように立ち止まり振り返る。

 ぞろぞろと上役達を引き連れるその先頭の人物へと、好奇の目が一斉に向けられた。

 そばについている私まで貫かれているような視線の一点集中。

 受付の女の子が三人とも、頬を上気させて目の色をハートに変えたのがわかった。


 仕事をするときの社長の姿を見たことがない女子は、本当に幸せだと思う。

 この見てくれだ。

 目立つ長身とモデル顔負けの端正なお顔は、街を歩けば、こんなふうにすれ違う女子の視線を一手に引き受けてしまうはずだ。

 そして、あんな男にちやほやされたい、愛されたいと夢のような妄想を繰り広げるに違いない。
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