孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 でも……


 ――『俺にとって必要なパートナーだと思ってる』


 前に社長が言ってくれた言葉を思い出す。

 まるで私が特別であるかのような言い方。

 あくまで仕事上の言葉でしかないはずなのに、周りが変な誤解をしてくるから、私まで勘違いしそうになってしまう。


 社長のパートナーになれたら、今以上のもっとお姫様な扱いをされるんだろう。

 会社に行くのにも、きっと送り迎えは高級ハイヤーだ。

 自宅にはハウスキーパーが居て、料理は一流料理人がこしらえていそう。

 お高いタワーマンションのワンフロアを買い取って住んでいて……


 あれだけ否定をしながらも、めくるめく夢の世界を想像していた頭に、突如ストップがかかった。

 ……そういえば社長は、今どこに住んでいるんだろう。

 こっちに赴任してきて、関係各所への手続きには、すべて米国の住所を使っていたような気がする。
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