孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
『そのあとは? 勤務の定時は、たしかこちらの時間で十九時だったか』
『はい、社内の案内が終わったあとは、浅田室長からの引き継ぎをしていただくことになっております』
橘社長は紙の束を持ったほうの手首を見る。
上質なスーツの袖口から見えたのは、金縁をあしらった黒光りの時計。
どう見ても高級そうな腕時計は、やはり選ばれし持ち主の下で悠然と存在感を馴染ませている。
『引き継ぎはあとでもいい。
まずは、この資料のデータを寄越してきた順番に、各部長をここへ呼んでくれ。
営業部の他、予定の入っている部署は、後日スケジュール調整をして面談する』
『かしこまりました』
『聞きたいことが山ほどある。
社内を見て回るのは、そのあとからでも構わないだろう? 時間が余ればの話だが』
『はい、それでは、浅田室長にはそのように』
胸がすくようだった。
さすが、海外からの使者だ。やるべきことの優先順位を即座に判断する。
私が会社経営のなにをわかっているわけではないけれど、この人こそ、危機の渦中にある会社の立て直しをしてくれる救世主にふさわしいと、強く思った。
.
『はい、社内の案内が終わったあとは、浅田室長からの引き継ぎをしていただくことになっております』
橘社長は紙の束を持ったほうの手首を見る。
上質なスーツの袖口から見えたのは、金縁をあしらった黒光りの時計。
どう見ても高級そうな腕時計は、やはり選ばれし持ち主の下で悠然と存在感を馴染ませている。
『引き継ぎはあとでもいい。
まずは、この資料のデータを寄越してきた順番に、各部長をここへ呼んでくれ。
営業部の他、予定の入っている部署は、後日スケジュール調整をして面談する』
『かしこまりました』
『聞きたいことが山ほどある。
社内を見て回るのは、そのあとからでも構わないだろう? 時間が余ればの話だが』
『はい、それでは、浅田室長にはそのように』
胸がすくようだった。
さすが、海外からの使者だ。やるべきことの優先順位を即座に判断する。
私が会社経営のなにをわかっているわけではないけれど、この人こそ、危機の渦中にある会社の立て直しをしてくれる救世主にふさわしいと、強く思った。
.