孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
『可愛いサオリには、傷が深くならないうちに教えておくよ。
 ユウセイはいつかは向こうに帰ってしまうだろう?
 あまり本気になっちゃだめだよ? 向こうには彼を待っている子がいるからね』


 え……


 目を大きく見開いた私に、ルイさんは軽くため息を吐いた。


『ああ、やっぱり言ってなかったんだね』


 腕を組み呆れたようにうなだれるルイさんを見上げる視界が、ぼんやりと曇る。

 待っている子……って……

 社長の帰りを待っている人がいるらしいという衝撃の言葉に、思考が一時的に活動をやめる。


『ガールフレンドはいるに越したことはないからね。特に仕事のためにこっちに来てると、癒しも欲しいと思うんだ。そういう部分で親しくしていると、わりと勘違いしやすいのが日本の女の子なんじゃないかな』


 だから深入りしちゃだめだよ、と親切で教えてくれるルイさんに、真っ白になる頭は一応納得を試みようと動き出した。
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