孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
二十時を過ぎたところで、指導要綱の送信完了の報告と、退社の挨拶に社長室を訪れる。
大きな窓の外はもうすっかり夜に沈み、眼下にきらびやかな光の絨毯が敷かれていた。
奥のエグゼクティブデスクで頭を抱えていた社長。
入室する私を見やるなり、PC用の眼鏡を外し長い指で手招きをした。
「急がせてすまなかったな。定時オーバーさせるつもりはなかったんだが」
「いえ、社長のお力になれるなら、このくらい大丈夫です」
「ありがとう、助かるよ」
机の前に立つ私を目を細めて見上げてくる社長のやわらかな雰囲気に、とくりと鼓動が跳ねる。
思えば最初の印象よりも、だいぶ穏やかな表情を見られるようになったのは、私が慣れてきたからなのか。
それとも……
――『好きなんだ』
またしても思い出したあの唐突な告白に、勝手に一人で胸を熱くする。
そこに横やりを入れてくるルイさんの言葉。
のぼせ上がるなとでも諭されているようで、せっかく私を見てくれていた瞳から視線を落としてしまった。
「佐織」
落ち込みそうになる私を引き止めるように呼びかけた社長は、椅子から立ち上がり、机を回り込んで私のそばにやって来た。
大きな窓の外はもうすっかり夜に沈み、眼下にきらびやかな光の絨毯が敷かれていた。
奥のエグゼクティブデスクで頭を抱えていた社長。
入室する私を見やるなり、PC用の眼鏡を外し長い指で手招きをした。
「急がせてすまなかったな。定時オーバーさせるつもりはなかったんだが」
「いえ、社長のお力になれるなら、このくらい大丈夫です」
「ありがとう、助かるよ」
机の前に立つ私を目を細めて見上げてくる社長のやわらかな雰囲気に、とくりと鼓動が跳ねる。
思えば最初の印象よりも、だいぶ穏やかな表情を見られるようになったのは、私が慣れてきたからなのか。
それとも……
――『好きなんだ』
またしても思い出したあの唐突な告白に、勝手に一人で胸を熱くする。
そこに横やりを入れてくるルイさんの言葉。
のぼせ上がるなとでも諭されているようで、せっかく私を見てくれていた瞳から視線を落としてしまった。
「佐織」
落ち込みそうになる私を引き止めるように呼びかけた社長は、椅子から立ち上がり、机を回り込んで私のそばにやって来た。