孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
「社長……」
「うん?」
認めた途端に、陰でひっそりとしていた気持ちが一気に膨れ上がり、口をついて出てきそうになる。
伝えてしまおうかと思うけれど、ルイさんに言われた言葉が喉に引っかかって声にならない。
好きになってと言われて、まんまとその通りに私は社長のことが好きになったのに……
この気持ちを告げていいのかどうかがわからなくなってしまった。
「佐織?」
なにも言わない私に、社長は不思議そうに呼びかけてくる。
どうすることが最善なのか、自分の中でぐるぐると考えあぐねていると、ふたりの甘さを撒き散らした社長室ががちゃりと開かれる扉によって空気を変えられた。
『ねえユウセイ。向こうの状況からして、たぶんこっちも……』
またしてもノックもなしに入ってきたのはルイさんだ。
こちらに顔を上げながら、進めてきていた足を部屋の途中でぴたりと止めてしまった。
社長の膝の上にいる私の腰はしっかりと抱き込まれていて、ただならぬ状況をごまかそうにも、大きく見開く青い瞳が、しっかりと私たちの姿を捕らえていることは取り消すことはできなかった。
「うん?」
認めた途端に、陰でひっそりとしていた気持ちが一気に膨れ上がり、口をついて出てきそうになる。
伝えてしまおうかと思うけれど、ルイさんに言われた言葉が喉に引っかかって声にならない。
好きになってと言われて、まんまとその通りに私は社長のことが好きになったのに……
この気持ちを告げていいのかどうかがわからなくなってしまった。
「佐織?」
なにも言わない私に、社長は不思議そうに呼びかけてくる。
どうすることが最善なのか、自分の中でぐるぐると考えあぐねていると、ふたりの甘さを撒き散らした社長室ががちゃりと開かれる扉によって空気を変えられた。
『ねえユウセイ。向こうの状況からして、たぶんこっちも……』
またしてもノックもなしに入ってきたのはルイさんだ。
こちらに顔を上げながら、進めてきていた足を部屋の途中でぴたりと止めてしまった。
社長の膝の上にいる私の腰はしっかりと抱き込まれていて、ただならぬ状況をごまかそうにも、大きく見開く青い瞳が、しっかりと私たちの姿を捕らえていることは取り消すことはできなかった。